はじめに

週刊ダイヤモンド(2024年8月3日号)の特集「自分と親の終の住み家」から、「60歳前後は『買い替え適齢期に』~終の住み家に思いを馳せる『希望の10年』」(住宅ジャーナリスト 日下部理絵さん)という記事を参考に、60歳からの住まい選びについて解説します。

なぜ60歳で住まいを見直すのか?

従来の「住宅すごろく」と呼ばれる、若いうちは賃貸、結婚して子どもが生まれると持ち家、そして老後と、ステップアップするように住まいを変えていくイメージは、少子高齢化や価値観の多様化により変化しつつあります。
特に、60歳前後の人たちは、定年を迎え、ライフスタイルが大きく変わるタイミングで、住まいもそれに合わせて見直そうとする傾向にあります。

60歳前後は「買い替え適齢期」

国土交通省の調査によると、住宅の買い替えは60歳前後が最も多いというデータが出ています。

具体的には、国土交通省の「住宅市場動向調査(令和4年度)」によると、初めて住宅を取得する1次取得者は30代が最も多いのですが、買い替えによる2次取得者となるとまったく様相が変わります。
分譲戸建ての取得では40代が多いものの、それ以外の注文住宅、分譲マンション、中古戸建て、中古マンションについては、60歳以上が一番多いのです。
平均年齢を見ても、注文住宅は59.9歳、分譲マンションは58.1歳。60歳前後が「買い替え適齢期」になっている様子がうかがえます。

これは、定年退職や子供の独立など、ライフステージの変化に伴い、住まいのニーズも変化するためです。
一次取得・二次取得別の世帯主の年齢


60代が住まいを見直す理由

ライフスタイルの変化: 定年退職や子供の独立など、ライフスタイルが大きく変化するタイミングで、住まいのニーズも変わることが多い。
  • 健康への配慮:老後を見据え、バリアフリーや医療機関へのアクセスがしやすい住まいを求める人が増えています。
  • セキュリティの向上:防犯対策がしっかりしている住まいを求める傾向があります。
  • 住まいの維持管理:一戸建てのメンテナンスに負担を感じる人も多く、マンションなど管理体制が整っている住まいへのニーズが高まっています。

60代からの住まいの選択肢

  • マンションへの買い替え:駅近でセキュリティがしっかりしており、管理体制も整っているマンションは、シニア世代に人気です。
  • 一戸建てから賃貸へ:一戸建ての維持管理が負担になる場合は、賃貸住宅へ移るのも一つの選択肢です。
  • リフォーム: 現在の住まいに愛着がある場合は、リフォームをして住み続けることも可能です。
  • 高齢者向け住宅への入居:将来的に介護が必要になることを想定し、高齢者向け住宅への入居を検討する人もいます。

買い替えのポイント

不動産売買というのは、「売り買い」を1~2年の限られた期間の中で行わなければならず、ちょっとした失敗が、大きな出費につながりかねません。
今住んでいる家の売却と新居の購入をほぼ同じタイミングで進める「売り買い同時進行」が理想です。
  • 売却と購入のタイミング: 現在の家を売却してから新しい家を購入する「売り先行」と、新しい家を購入してから現在の家を売却する「買い先行」のどちらにするか、それぞれのメリット・デメリットを比較検討する必要があります。
  • 資金調達:住宅ローンの借り換えや現在の住まいの売却、リバースモーゲージなど、様々な資金調達の方法があります。
  • ライフプラン: 将来のライフプランをしっかりと立て、それに合った住まいを選ぶことが大切です。
  • 税金:不動産の売却や購入には、様々な税金がかかります。税理士に相談し、節税対策を検討することが重要です。
  • 手続きの煩雑さ:不動産の売買には、多くの手続きが必要です。不動産業者に相談し、スムーズに進めるようにしましょう。

まとめ

60歳からの住まい選びは、人生の後半をより豊かに過ごすための重要な決断です。
様々な選択肢の中から、自分にとって最適な住まいを選び、快適な老後を送りましょう。




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