安佐北区の産廃業者の許可取り消し 広島県

広島県は20日、廃棄物処理法に基づき、広島市安佐北区の須賀解体の産業廃棄物収集運搬業の許可を取り消した。県産業廃棄物対策課によると、同社役員が2022年8月に道交法違反の罪で懲役6月、執行猶予3年の有罪判決が確定し、欠格要件に該当した。5年ごとの許可の更新審査で分かったという。
(中国新聞 2024/02/20)

産業廃棄物収集運搬業に限らず、許認可営業の場合、許可を取得する際に欠格事由に該当しないことが要件となり、このことは許可を取得し、事業を開始した後に欠格事由に該当した場合も同様で、許可取消事由に該当し、せっかく取得した許可を失うことになります。

産業廃棄物の処理は、マニフェスト(産業廃棄物管理票)によるトレーサビリティを確保し、原則として最終処分まで適切な廃棄物の処理が行われていることを、排出事業者の責任で管理することが求められます。

排出事業者は産業廃棄物の管理について専門性がないことが多いので、排出事業者の窓口となる産業廃棄物収集・運搬業の事業者の方は、排出事業者に代わってマニフェストを準備し、最終処分までのトレーサビリティを確保するなど、廃棄物処理法上の違法行為に該当しないよう細心の注意を払って、事業を行われています。

このように、産業廃棄物収集・運搬業の事業者の方は、廃棄物処理法に関するコンプライアンス意識は非常に高いのですが、一方で、それ以外の法令に抵触することで産業廃棄物収集・運搬業の許可を取り消されることまでは意識されていないことが多いようです。

産業廃棄物収集・運搬業の欠格事由は、大まかにいうと、次の(イ)が、(ロ)の事由に該当している場合をいいます。

(イ)

・法人(会社そのもの)
・役員(取締役、執行役員)
・5%以上の株主、相談役、顧問
・個人事業主
・政令使用人(支店の支店長等で産業廃棄物の処理に関する契約について締結権限を持っている者)

(ロ)

・成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ない者
・禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
・廃棄物処理法、浄化槽法等の法令に違反し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
・暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(第31条第7項を除く)及び刑法等の一定の罪に該当し罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者                                                        ・一般廃棄物収集運搬・処分業許可、許可産業廃棄物収集運搬・処分業許可、浄化槽法による許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者                                                    ・その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
・暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
・営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が、上記のいずれかに該当する者
・暴力団員等がその事業活動を支配する者

廃棄物処理法上のコンプライアンス意識は高くても、他の法律で禁固以上の刑に処せられた場合(執行猶予付き判決の場合も同様※)、その時点で欠格事由に該当し、許可取消処分の対象となるのです。

※ 執行猶予付き判決の場合、執行猶予期間が満了した時点で刑の言渡しの効力が失われ、欠格事由に該当しないことになります。つまり、執行猶予期間中は欠格事由に該当していることになります。

なお、執行猶予期間中の者は、会社の役員としても欠格事由に該当するため、取締役としても退任します(会社法331条)。
そのため、記事のケースでは、後任の取締役を定め、そのことを登記しておく必要もあったと思われます。

産業廃棄物収集・運搬業の欠格事由には、5%以上の議決権を有する株主も対象であるため、記事のケースの代表者が株主でもあった場合、他の事業者への事業譲渡等も検討する必要がありました。

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